アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
13話 名前
-
すっかり忘れていたが、俺は足を捻っていた事に今頃気づいた。
若干ズキズキ痛む足を見つめていると、男が俺に笑いかける。
「今日は先生居ないんだ、僕が代わりに手当てしようか?」
「あ、どうも…」
なりゆきで手当てしてもらうことになったが、考え見れば俺はこの男の名前も知らない。
「あのさ…名前、何て言うの?」
ちょっと照れ臭い俺は、目線を逸らしながら尋ねた。
「僕は葉山 凜。君は?」
「天希 咲良…」
「咲良くんかぁ!いい名前だね!」
「っ」
名前を呼ばれただけで、俺の心臓はドクドクッと鼓動が早くなる。
やば…なんだよこれ…
どうしてこんなに、ドキドキしてんだよ…
「…葉山のクラスは?」
「2―Bだよ!」
「え、先輩だったの!?…ですか」
「ため口でも大丈夫だよ?」
「いや…先輩にため口は使えませんよ…」
まさか先輩だったとは知らず、俺めっちゃ同級生だと思って声かけてたわ…。
「じゃあ、ため口が駄目なら凜って呼んでよ」
「は!?それの方がレベル高…「じゃあため口?」…凜…先輩」
納得したようなしてないような凜先輩は、俺に笑いかける。
その笑顔につられて、俺も笑った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 38