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16話 痛い
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「…先輩、安坂待ってて、ばいばいって」
「ふむふむ」
「…先輩、嬉しそうだった」
「へぇへぇ」
「…先輩と安坂、今頃二人で居る」
「へぇ、なんで?」
「…俺がそうしたから」
ポチャン、また川に小石を投げ込む音が聞こえてきた。
俺は顔を上げると、山本と目が合う。
「辛いなら泣きなよ。どうせ、無理して笑ってここまで来たんでしょ?
今、天希ちゃんを見てるのは俺だけ。だから泣きなよ、我慢しないで…泣きな」
「っ…っ辛い…っけど!…嫌いにっなれ、ない…っ…好きなんだよ…!先輩、が…っ!」
「うん、知ってるよ」
「や、ま…もと…っ痛い…、痛いっ…!」
「…咲良」
「とー…やっ…痛い、よ…っ」
痛い、痛い。
それでも先輩が好きだって、俺の心はいつまでも叫んでいた。
涙と共に溢れた想い。
どうか先輩、俺の想いには気づかないで
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