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20話 どうして
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そんな時、俺の携帯が鳴った。画面を見てからすぐにベットから立ち上がる。
「…山本、少し電話してくる」
「ん!」
ゲームに夢中らしく、一言発しただけでそれ以上は聞かなかった。
山本の家を出て俺は携帯を耳にあてる。
「もしもし、先輩…?」
聞こえてきたのは、凜先輩の声だった。
『咲良…く、ん…』
声で分かる…先輩は今、泣いてるんだ。
「どうしたんですか?大丈夫ですか…?」
『…会って、話がしたい…』
「分かりました、じゃあ駅前の喫茶店で」
電話を切った後、俺は山本にメールを入れてから走り出した。
どうして、泣いていたんだろう。
どうして、先輩は苦しんでいるんだろう。
頭の中で繰り返される自問自答。
その思考が俺の足を早めていった。
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