アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
25話 キス
-
いつまでも目を合わせない俺にしびれを切らしたのか、安坂は急に俺の手を引っ張って歩き出した。
「なにすんだよ!」
「…………」
「おい!安坂!!」
「…………」
呼び掛けても答えない安坂、俺の腕はがっちり捕まれていて逃げることは出来ない。
分からない。
先輩に思われているお前が…好きな奴が居るお前が…どうして、俺に突っかかって来るのか。
「咲良、聞いて欲しい」
急に立ち止まった安坂は振り向いて、俺の両手をギュッと握る。
「好きだ」
…は?
好き?安坂が、俺を…?
「じょ、冗談だろ…」
「…ホントだよ。咲良、俺は咲良が好き」
「なんで…そんな、わけ…な…」
だって、お前は俺の一番嫌いな奴なんだよ
だって、お前は…先輩の…好きな奴なんだよ
「好き、好き…好きなんだ、咲良…」
唇に触れる、柔らかいもの。
俺の目に映る、安坂の顔。
キスされていると気付いた時、俺達の恋は動き出した。
「…咲良…く、ん…?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 38