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26話 知りたくなかった。
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「…咲良…く、ん…?」
今にも消え入りそうな声が聞こえた方へ顔を向けた。
そこには、俺の大好きな凛先輩が居た。
違う、勘違いしないで下さい。
俺は安坂に無理矢理キスされて、だから…だから…そんな顔で…俺を見ないで…?
「せ、せんぱ…」
凛先輩へ手を伸ばす。
でも、俺の手は先輩へ届くことはなかった。
「……ッ最低…!」
俺の何かが音をたてて崩れていく。
大切なものさえ掴めなかった俺の手は、だらんと力なく下ろされた。
ああ、終わりかな。
俺の名前を呼ばないで、そう思い続けてきたはずなのに
先輩に名前を呼んで欲しいなんて我儘…
今更、知りたくなんてなかった。
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