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31話 ごめんね
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「冗談…だよね?」
目を見開く先輩に俺はゆっくり首を振った。
「冗談なんかじゃありませんよ。俺はずっと…ここで出会った時から先輩が好きです」
もう嘘はつかない。
逃げるだけの俺は、もう終わりにするんだ。
全てを伝える。
それが、この恋に対してのけじめだ。
「好きです」
「…さ、くら…くん…ッ」
「ごめんね、先輩。困らせて…」
「ッ…ぅ…ひっく…」
泣かないで。
そう言えたなら、良かったのに。
もう俺にはそんな資格ない…
「ごめんね…ッ…ごめんね、咲良く…ッ僕は…僕は安坂くんが…ッ」
これで本当に終わりだね。
「先輩、ありがとう」
先輩を好きでいて、良かったよ。
「咲良くん…ッ…」
「先輩も、伝えてきな?」
「ごめん…ね…ッ…」
先輩が好きでした。
溺れるくらいに、苦しい恋でした。
けど、それよりも…
俺はこの恋をして、良かったです。
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