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熱い吐息は
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「俺に何か用事でも?」
俯く咲耶に有紀は優しく言った。
「風間の部屋からの帰り道が分からくなってしまって・・・。」
事情を説明しつつ、咲耶は恐る恐る顔を上げた。
「・・・風間の?そう、やはり君たちはそういう・・・。」
有紀は何故か悲しそうな瞳で乾いた笑みを浮かべた。そして戸惑う咲耶の腕を乱暴に掴みそのまま部屋に連れ込むと、咲耶をソファーに押し倒した。
「日野沢・・・!」
訳が分からず咲耶は声を荒らげた。だが見上げた有紀の表情を見て、咲耶はそれ以上言葉が出てこなくなった。有紀の冷めたヘーゼルの瞳に捕えられ、まるで蛇に睨まれた蛙のように咲耶は身動きができなかった。こんな有紀の瞳を見るのは初めてだった。無表情のまま、有紀の右手が咲耶の首元を撫で、ある一点で止まる。
「キスマーク、付いてるよ。」
咲耶ははっとして目を見開いた。先刻の迅の部屋での出来事を思い出し、気まずさで視線を逸らす。有紀に自分はどんな風に映っているのだろうか。こうして他の男の部屋から別の男の元へフラフラと足を運ぶ、尻軽な男だと思われただろうか。ジワリと涙が滲む。こんな醜い自分を有紀に見られていることが耐えられなかった。
「泣いてるの?俺に触れられるのがそんなに屈辱?」
有紀は自嘲気味に笑った。咲耶は誤解とも違うとも言うことができなかった。それを言ってしまったら、有紀にこの気持ちが知られてしまう気がして、咲耶はただ揺れる瞳を有紀に向けた。
「あいつにはこうして身体を許したの?」
有紀は左手で咲耶の両腕を抑えたまま、器用に右手だけで咲耶の制服のボタンを一つ一つ外していった。こんな状況でも有紀に触れられている部分が熱くて仕方なかった。
「やめろ・・・。」
昼間男たちに弄ばれたこんな身体では、有紀の綺麗な手を穢してしまいそうで咲耶は身を捩った。必至に嫌だと首を振るが、それでも有紀の手が止まることはなかった。咲耶にとって有紀は憧れの人で至高の存在だ。こうして近くに有紀が居て触れられていることが嬉しくて愛おしくて仕方なかった。それでもこんな汚れた身体に触れて欲しくはなかった。溢れる様々な感情が涙となって咲耶の頬を流れる。前が全て開き、咲耶の白い肌が露わになったところで、有紀の手が一旦止まった。
「日野沢・・・。」
震える声でなんとか名前を呼ぶ。有紀は優しく咲耶の頬を伝う涙を拭った。
「あんな知らない野郎共に遊ばれたあとは風間に身体を許して。そしてその身体でキスマーク付けたまま俺のとこにくるなんて、とんだ魔性だね。」
「違う・・・!あれは」
咲耶が言い終える前に有紀に唇を奪われた。何度も角度を変え口を吸われる。信じられない程鼓動が速くなり、胸が苦しくなった。咲耶は自分の身体が火照っていくのを感じた。息継ぎがうまくできず、だんだんと頭がぼんやりとしてくる。
「はあ・・・・あ・・・。」
咲耶が思わず声を漏らすと、有紀がゆっくりと銀の糸を引きながら唇を離した。
「嫉妬で頭がおかしくなりそうだよ。」
掠れる声で耳元で囁かれ、咲夜の身体は甘く蕩けていった。
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