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第60話
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11月の半ば、夜は暗くて寒い。お風呂上がりでぽかぽかした体も、もうしばらくすれば熱は冷めてしまう。
蒼さんの部屋に上がって、彼のお勧めのバンドの曲を聴く。適度に暖まった部屋、あともう少ししたら寝るつもり。
「蒼さん、何か本を借りてもいい?」
「うん。」
壁に有る本棚の前に立つ、隣に彼が並んだ。
「蒼さん、また伸びた?」
「んー、」
まだ成長途中の高校生、初めて出会った6月から5ヶ月経った。彼と俺の身長差も、更に広がってる。
「今、身長は何センチ?」
「この前測った時が178センチくらい、」
俺は160センチくらい。羨ましいなあ、5センチくらい分けて欲しいよ。
「俺も身長伸びないかな、」
「何で、このくらいが丁度いいだろ。」
「丁度良くない。」
「ほら、抱き締めるといい感じの差。」
そう言って抱き締められた。彼の腕が俺の背中に回る。
「和って細いよな。」
「えっ、蒼さんも細いよ。」
「いや、何て言うのか骨が細いって感じの。」
まあ、体重はそんなに重くないけど。でもそれも気にしてるんだよ。
「ほら、こんなに細い。」
「わっ!」
背中を滑った手の平がウエストを掴む。長袖のTシャツの上から、彼の手の平を感じて恥ずかしくなる。
「和、直接触っていいか、」
「…うん。」
スッとTシャツから入り込む手の平、長い指が肌を撫でる。
「怖くないか、」
「うん、」
「もう少し、進んでもいいか、」
「…うん。」
顔が赤くなってる気がする。恥ずかしくて彼の胸に額を付けて、目を閉じた。
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