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第62話
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「あ……ぅ……ひっ…んっ、」
身体のあちこちにキスされたりする度に声が出る。身体もビクッとして縮んでしまう。遂に脇腹を撫でられ、キスされる。
「うゎ、…や、くすぐったい!」
柔らかな唇に肌を吸われて泣きたくなる。反射的に腕で身体を庇って、横向きに背中を丸めた。だって、いつもよりも何だか敏感に感じてしまう。
「あ、ごめん。背中にする。」
くるりと身体を返され、今度は背中にキスされる。うっ!口に手を当てて声を抑える。背中って、こんなに敏感になるものなの?
肩甲骨や背骨にもキスされ、腰を持たれた。
「わわ、」
「腰上げて、」
言いながら腰を持ち上げられる。思わず膝を立てると、手の平がスウェットに入り込んで、お尻をスルリと滑り下着ごと下ろされて剥ぎ取られた。
「はぅ、」
待って、待って。全裸になってしまったよう。あわわわ。お尻に手の平がぁぁぁ!じ、直ですよ!
「あ、蒼さんっ!」
「んー、」
ちゅ、
背後から覆い被さる様にして、うなじにキス。大きな手の平がお尻を離れて前に回る、きゅっと軽く握られた。
「ひぅっ、」
ぼっかん!
頭のどこかが爆破された!
うひいぃぃぃ。
「な、なに…やっ、」
「和、」
慌てる俺のこめかみにキスして、手の平を動かし始める。
「ぁあっ、…ひんっ、」
「可愛い、」
うそでしょ、絶対変な顔してるよう!それに、変な声も出るよう!
「ぁん、」
触られるのは初めてじゃない。服越しでなら何度かあるし、直接触られそうになった事もある、痴漢にだけど…。
でも今は手で握られてる、相手は大好きな彼。でも、それでも、身体が震える。
「っ、」
もう、何だか訳の分からない涙が出る。腰を上げたままの格好で、シーツに額を付けて零れて行く涙を手の甲で抑えた。
「え。和?」
俺の下半身から手を離して、横から覗き込む気配。
「うわ!ちょ、何!何で泣いてんの。」
慌てる彼の声。泣き止まないとって思うのに、ボロボロと涙はシーツに落ちてく。
「っ、ぅ…、」
「…あー、そうだよな…ごめん。怖かったよな、」
正直、怖い…でも、ちゃんと好きだって思ってる、彼の気持ちに応えたい。
もどかしいよ。
「っ、ごめん…ね…、」
「謝るなよ、」
頭を撫でる手の平、こんな面倒臭い俺の事を気にしてくれる彼の優しさに、余計に泣けてきた。
「うぅ、」
「わ、何でもっと泣く、」
ごめん、大丈夫かって焦る声。俺の身体を起こして抱き締めて、宥める様に頭を撫でてくれた。
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