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涙の訳
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トボトボと通学路を歩き家へと向かうが、先生に言われた事がショックでいつも以上に歩みが遅くなっていた
聞い慣れた声に振り向き、その人を見た途端に我慢していた涙が溢れ出た
「どっ、どうしたの?」
道の真ん中で、人目も気にせずにお兄さんにしがみついて、声をあげて泣いた
「泣いてちゃわからないよ。ほら、いってごらん」
「うっ•••ぐすっ•••信じてくれない」
「ほら、鼻水拭いて。家までもうすぐだからね。とりあえず、俺の家でいいよね?」
抱えられるようにして、お兄さんの部屋へと足を踏み入れ、ベッドに座らされた
「ちょっと待っててな。ジュース持ってくるから」
頭を撫でられ、更に涙が出た
どうして誰も信じてくれないんだろ
もう、学校に行きたくない
頑張ったって報われないなら、頑張る事すら無意味だ
お兄さんは、コップにカフェオレを入れて部屋へと戻ってきた
隣に腰掛け、ただ黙って頭を撫でてくれて
優しかった
「どうしたのか言ってごらん。ちゃんと聞いてるから」
「俺、テスト49位だった」
「おお!頑張ったなー偉いぞー」
「でも、カンニングしたんだろって、3日後に追試だって」
「え?」
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