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本宮side2―1
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澪を初めて抱いたあの日からあいつは来なくなった。
俺はあの日の写真を現像して、データはPCに保存している。
それを見て俺は柄にも無くため息をついた。
あの日のことが夢のように思えてきて…。
その度に俺は写真を確認する。
写真は嘘をつかないから。
あの日のことは現実だったと自分に言い聞かせる。
あいつは…最後までするつもりはなかったのだろうか…。
嫌がっている様には見えなかったが…。
だからこそあいつが急いで帰ったことも、あれから何日も顔を出さない事にも正直驚いている。
「隼也、今大丈夫か?」
そう言って暇なスタジオに足を踏み入れてきたのは社長だった。
社長はズカズカと俺の部屋に入ってきてコーヒーをねだる。
俺は社長専用のマグカップにコーヒーを入れて社長に渡す。
「用件は?」
「単刀直入に言おう……今日スタジオ貸して」
社長はいい笑顔でそう言った。
社長は人を束ねているとは思えない子供のような笑顔で頼み事をしてくる。
スタジオを貸して欲しいと言う頼み事も今回が初めてではない。
「何の為に」なんて事は聞かない。
何の為かなんて分かりきった事だからだ。
「勝手にして下さい。ただちゃんと全部元に戻しておいて下さいね…全てきちんと…」
「わ、解ってるって…」
「精液なんて残ってたら許しませんよ。掃除して帰って下さいね…匂いも残らないくらい綺麗に」
「お前……」
呆れたようにため息をつく社長。
言いたい事は分かっている。
確かに俺はこのスタジオで淫らな行為なんて日常的に行っている。
だがそれは仕事だからだ。
ここはホテルじゃない。
仕事じゃなきゃそんな事……。
「っ…!!」
「ん?…隼也?」
あの日…澪を抱いたのは仕事じゃなかった。
仕事の感覚なんて一切なかった。
ただ、抱いてみたいと思っただけだ。
抱いたらどんないい顔をするだろうと…。
実際は想像以上だった。
俺を感じて乱れる澪はあまりにも綺麗で、写真に残したいと思った。
被写体としてではなく、単純に綺麗なものを写真に残したかった。
と、どんな言い訳をしてみた所で気付いてしまった。
俺も、社長に負けず劣らず変態だという事に…。
「お前さぁ……澪となんかあった?」
「……何故?」
「まぁ…勘?でも俺の勘よく当たるから…」
勘…そんなもので俺の何が分かるんだと言ってやりたい所だが、反論する言葉が見当たらない。
こういう鋭いところがあるからこの人は社長としてやって行けるんだろう。
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