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友達のお見舞いに行ったらいきなり襲ってくる鬼畜野郎に恋してしまいました
1.
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目覚ましが鳴る。
今は朝の5時。
高校2年という年齢にしては小柄すぎる少年は、すぐさま布団から起き上がって竹刀を握った。
少年の名前は、神林春(かんばやししゅん)。
身長は153センチ。
つやつやとした黒髪に、くりっとしているけどつり気味の目。
意志の強そうなまゆ毛に綺麗な肌。
なかなかの男前だが、かなりの童顔だ。
この矛盾をうまく言い表すのなら、「将来はすごい男前になりそうな子供」といったところだろうか。
少年の家と学校は近い。
けれどいつも早起きをしているのは、もちろん朝の剣道の自主練習のためだった。
5時に起きて、7時まで竹刀を振る。
7時からは風呂で汗を流し、7時半から母の用意してくれた朝食を摂って、8時に登校。
学校が終われば近所の剣道場に出向き、稽古が終わった後も道場の娘と居残り練習。
10時ごろ帰宅し、課題をやって就寝。
これが、少年の日常だった。
「一、ニ、三、四…」
様々な種類の素振りを二時間かけてこなし、学校へ出向く。
教室に入っていつも一番最初にぱっと可愛らしい笑顔で出迎えてくれるのは、城川 奏太(しろかわかなた)という俺の親友だ。
「おはよー、春くん!」
「はよっす!かな!」
俺が通う学校は、男子高。
本人に自覚は無いが、顔もかわいく性格も良い奏太は学校のヒロインのような存在だった。
「今日の数学、当たるんだよね…。
教えて?」
小首を傾げてくる奏太は、そりゃあみんなが惚れるのもわかるよなぁ…なんて思うくらい可憐だ。
「いいぜ。ほい、どこ?」
理数系の教科が苦手な奏太は、基本的に頭が良い俺に教えを乞う。
そんな俺に嫉妬する奴らも少なからずいるというかほぼ全校生徒から嫉妬されるので、俺は基本的に嫌われ者だ。
それでも構わない。
奏太を守れるのなら。
睨んでくるクラスメイトに睨み返すと、慌てて目を逸らしてくる。
俺が剣道をやっていることを知っているから、みんな怖いんだろう。
怖いなら、睨まなければいいのに。
そう思わずにはいられない。
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