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友達のお見舞いに行ったらいきなり襲ってくる鬼畜野郎に恋してしまいました
10
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金曜日。
学校が終わり、稽古に出向く。
晴は思った通りなかなか筋が良く、二日間で普通の稽古に参加できるまでにはなっていた。
防具は注文したものが来るまでは道場のものをかしている。
とりあえず2時間やって、休憩。
晴が息切れしながらも話しかけて来た。
「なあ、お前、大会出るの禁止されてるって言ってたよな?」
「…ん? あぁ、よく覚えてたな。
そうだよ。なんでかわかったか?」
「…なんとなく。
なんていうか、これは…スポーツじゃねぇ」
…上出来だ。
思わず笑みがこぼれた。
二日でそれがわかるとは大したものだ。
「そう。この道場で教えてるのは、スポーツの剣道じゃなくて『殺し合い』の剣道だ。
元々、殺し合いの技術を精神を磨くために発展させたのが剣道だからな。
俺らがやってんのは、スポーツじゃない。
ガチンコ勝負だぜ!」
「…言い方軽いな」
「そうか?でもわかりきってるだろ?
面は左右に真っ二つ。
小手は手首を切り落とし、
胴は上下に真っ二つ。
突きはのど笛を抉り取る。
どれも一撃必殺、殺すための技。
だから護身には向かないんだよな」
「…なるほどな、」
「特にここの剣道だと殺しに発展してるから、スポーツの剣道には無い動きがあったり、ある動きが無かったりするんだぜ。
ま、俺も詳しくは知らねーけどな。
こっちしかやってこなかったし!
…もうちょっとで休憩終わるけど、なんか質問は?」
「一個だけ。
…春。お前、真剣を持って、人を切れるか?」
その質問はきっと、晴が自分自身に問いかけたいことなんだろう。
その迷いは、剣筋を狂わせる。
早々に断ち切らなければいけない悩みだ。
だから俺は笑って、俺なりの答えを晴に示した。
「守りたいものを守るためなら、切ってみせるさ」
晴は目を見開き、それからふっと笑った。
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