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友達のお見舞いに行ったらいきなり襲ってくる鬼畜野郎に恋してしまいました
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ふっかふかの布団に包まれて、悩む。
あいつが金を渡してきた理由。
それは、あの「あーん」にあるのだろうか。
それを俺が指摘するまでは至って普通だったはず。
…今となっては何故あんなに犯し犯された後に普通でいられたのか驚愕するが。
「…あいつ、泣いてた」
涙を流していたわけでは無いけれど、最後に笑ったあいつの心は、間違いなく泣いていたと思う。
なんでそう思ったんだろう…。
「…あ、」
不意に、その泣きそうな笑顔と昨日の夜のあいつの顔が重なった。
あいつもしかして、俺の意識が落ちるとき、泣いてた…?
覚えてるのは、春、と呟く声と、零れてきた温かい雫。
そういえば、あいつから名前を呼ばれたのってあれが初めてかも…。
今思えば、やけに切なそうで、やけに悲しそうで、何よりも辛そうな声だった。
……くそ。
「そんな辛そうにされたら、憎めねーじゃん…」
だから、そんな顔すんなよ。頼むから。
本人に届かない呟きは、虚しく響いた。
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