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友達のお見舞いに行ったらいきなり襲ってくる鬼畜野郎に恋してしまいました
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寝室は、玄関を背にして左。
謎の拘束台があったのはたぶん、その正面の部屋。
…リビングは、突き当たりか?
勝手に扉を開けて、中に入った。
「…ひっっろ!!!」
広い上に、なんかゴージャス。
というかオシャレ。
ガラスでできた少し高めのテーブルに、喫茶店にあるような高い椅子。
それが真ん中に鎮座していて、そのテーブルの横にはカウンター付きのキッチン。
キッチンは、使用感がありつつ綺麗に整頓されていた。
キッチンの反対側には白くてでかいソファがあって、正面にはテレビが備え付けられている。
「でけー…」
テレビの前で両腕を広げてみると、テレビの方が横幅があって負けたような気分になった。
部屋は朝日が入って、ガラス張りのようになっている部屋は電気がついてなくても明るい。
そうだ、現在位置を把握しなくては。
ベランダに出て辺りを見回すと、どうやら高層ビルの最上階のようだ。
目印になる場所を探して、大体の見当をつけた。
おそらく、自分の家から5キロくらい離れてるな…
でもま、そこに駅があるし電車使おう。
金あったかなー、西川のお金使っちゃおうかなー。
そんな冗談を考えてリビングに戻ると、固定電話の横にペン立てがあった。
そこからペンを一本拝借して、お金の入った封筒に一言書き込む。
「…よしっ」
春は満足気に鼻を鳴らして、寝室に寄り自分の荷物とお弁当を持って西川の部屋を出た。
「お邪魔しましたー」
オートロックの鍵がガチャリと閉まって、部屋には誰もいなくなった。
誰もいない部屋の誰もいないリビング。
その机の上の茶封筒には、西川の文字。
それに続くのは、書かれたばかりの春からのメッセージ。
『待ってろ。』
力強い文字は、春の覚悟を表しているようだった。
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