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逃避
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「わっ….、ごめんなさい、汗ついちゃう…すぐ流して来ます。」
「いい」
「菅井さん…?」
僕を抱きしめる彼は悲しそうだった。
強く後ろから抱きしめられているから、顔ははっきりと見えないが、雰囲気でわかる。
「夢ってのは、」
僕を抱きしめたまま菅井さんは話し始めた。
「はい」
「夢ってのは、自分で気づいてない潜在意識を、自分自身に教えてあげようとするメッセージなんだ。だから、自分の考え、思い、心の状態が夢に反映されてる。壱はよく恐ろしい夢…その、追いかけられる夢、よく見るだろ?」
「ぁ、はい」
「それは、今不安であったりして、心の状態がよくないんじゃないかって、俺は思う」
少し抱きしめる腕に力が入ったのが分かった。
「俺は、そういう、壱の不安とかを全部取り除いてあげたいって思うんだ。壱を救ってやりたい」
「菅井さん…」
腕が離れたと思うと今度は肩に手が置かれ向かい合うように再び座らされる。
「壱と出会ってからちょうど1年くらいかな?」
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