アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
逃避
-
僕の少し気まずいその声に菅井さんは怪訝な顔をした
「身売りか?」
先ほどとは打って変わって低いその声
「ごめんなさい、」
声は微かに震えていた
「なぁ、壱」
いつもの優しい声
「一緒に住まないか?」
突然のことに驚く
「ええと、部屋隣ですよ…?」
「ああ、荷物とかそういうのは置いたままでいい、けど生活は俺の部屋でしろ」
「菅井さんの邪魔になんないですかね…」
「邪魔だったら告白なんてしない」
少し怒り気味に菅井さんは言った
「壱の部屋の分の家賃も払う、ここで生活するから、光熱費、食費、俺が負担する。必要なものがあったら買ってやる。身売りする必要なくなるだろ?学費はお父さんが払ってくれてるんだろ?」
「はい、でも、」
「でも?」
「どうしても行きたい大学があって、そのために専門の塾に通ってて…」
「それはお父さんには言ってないのか?」
「はい、自分が勝手に決めたことなので、そこまで迷惑かけるわけには」
そう言うと、菅井さんは大きなため息をついた
「あのな、頑張ってる息子に向かって迷惑なんか親は思うはずないだろ?逆にその事言わずに男相手に身体売って稼いでるほうがよっぽど心配するぞ?」
「………」
「俺がその塾代も出してやる、だから身売りは絶対に辞めろ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 182