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開始 浩side
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「それで、仕事のことなんだけど、今回の依頼はすぐに片付きそうだよ」
俺に資料を渡しながら陸は言う
「ターゲットは滝正史87歳、もう既に癌を患ってる。依頼者は滝正史の息子で、依頼理由は遺産みたいだね」
ある程度の説明を聞き、それから資料を目に通す
俺がやってる仕事は、こういった依頼を受け、不自然にならないように、主に薬なんかで、ターゲットを殺すこと
陸はその後、証拠隠滅の為の後処理、つまりは葬儀を完璧に行う
依頼手続きも完璧にこなす陸とは、バディーとなるため、切っても切れない縁だ
互いにその技術は優れたもので、依頼はかなり高額で取り引きされていた
「この爺さんは残り少ない人生にまだ希望があったかもしれないのにな、まさか自分の子にそれを奪われるなんて、思ってもみないだろうな」
俺の言葉に、陸は呆れたように笑う
「ほんと、やわらかくなったよね。人間味が湧いたっていうかさ」
「何がだ?」
「浩がだよ。自分ではわからないかな?ちょっと前までは、ターゲットの気持ちなんて全く考えてなかったのに、というか、それ以前に興味すらなさそうだったよ」
「殺すことしか考えてなかったな、」
「それがここまで、優しい人間に戻れるもんなんだね。まあ、これも壱くんのおかげかな?」
「ああ、そうだな」
壱の前では絶対に吸わないタバコに火をつける
「大事にしろよ?」
陸の口調が少し強くなったのは、俺の性格を知ってだろう
「もちろんだ」
吐いた煙は、すうっと開け放たれた窓の外へと出ていった
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