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変化 浩side
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「待たせて悪い」
真っ暗な廊下に非常口の緑の光が妙に馴染んでいた
病室のドアの前でしゃがんでいる猫背がちのシルエット
いつも能天気に接してくるけど、今は不気味に感じる
それは俺の中にある恐怖からなのか罪悪感からなのか
その中に引きずりこんでいく、そんな悪魔のように今の俺には見える
「思ったより早かったね、壱くん大丈夫そう?」
「ああ、おかげさまでな。今日は陸も見届けるのか?」
普段、ターゲットが死ぬ時、つまり俺が手をかける時に陸は顔を出すことは滅多にない。陸がいると怪しまれる可能性があるからだそうだ。確かに死ぬ前からターゲットの元に葬儀屋がいるのはおかしな事だろうし、もしもその時を誰かが目撃していたら不審に思われるだろう
俺の質問に、陸はくすりと笑った
「うん、じっくり見届けるよ」
その言葉に背筋がぞくりとした
「ほら、そんなひどい顔してないで早く済ませるよ?当直の看護師の見廻りが後20分でくるはずだから」
「ぁあ、任せとけ…」
俺たちは静かに病室に入った
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