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虚風
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「ふふっ…
フハハハハハハハハハハッ!アハッ!アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」
狂気に満ちた笑い声
痛いくらいに脳に響いて、僕は目をぎゅっと瞑る
いっそのこと僕も狂ってしまいたい
「はぁ〜ああ残念、菅井浩、だっけ…?」
その名前に、僕の目は焦点を取り戻した
「なっ、なにっ……いっ!」
できる範囲で振り返り内田さんを見る
しかし腰を捻じった衝撃でさらなる痛みが走った
「あの男には消えてもらう、意味わかるよね?」
はっと息を飲む
「お願いっ、浩には手を出さないで、下さい…」
僕が懇願する間も、内田さんは腰の傷を指でなぞる
その度に僕の体はビクリと震えた
「壱が悪いんだよ?壱のせいであの男は…」
僕のせいで浩は殺されてしまう
僕のせいで…
内田さんが怒っているのも、僕が内田さんからのプロポーズを受け入れず、それどころか会うことさえ勝手に終わらせてしまったから。
すべては僕のせいだ
そうだ、僕が好き勝手にやっているから
そのせいで浩は…
だったら、
「分かりました」
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