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策に嵌る 啓太side
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自分の眼に映る男は、人間か
いやバケモノだ
啓太はそう自問自答していた
腹にたった1発の拳を食らっただけなのに、壁に自分の体が埋もれたのは、つい先程のこと
「いってぇ…」
殴られた腹よりも、壁を割った背中の方が痛くて静かに悶える
パラ…と壁から欠片が落ちた
「涼平さん、やりすぎ……啓太、大丈夫…?」
「悪い悪い、まさかあんなにクリーンヒットするとは思わなかったからなぁ!でも筋はいいぞ、啓太!」
俺の背中をさすりながら心配する実さんとは真逆に、涼平さんは豪快に笑った
実さんと涼平さんに護身術を教わる事になった俺に、実力を見るため、と、力試しに先に1発入れた方が勝ちという試合を涼平さんが提案していたのだ
サッカーで鍛えられた俊敏な動きで何度かの攻撃を避け、1発パンチを食らわそう、というところまでは行ったのだが…
「攻撃する時にそっちに意識が向きすぎて、体がガラ空きだったぞ〜」
「う……」
楽しそうに拳の素振りをする仕草をみて、腹の痛さも復活する
「驚かせてごめんな、武器を持ってる相手にも、素手で勝っちゃうくらい、馬鹿力なんだ。ねぇ、涼平さん?」
「さっきはまだ本気じゃねぇぞ〜」
「馬鹿力ってレベルじゃないですよ!」
俺の悲痛な叫びも虚しく、2人は笑った
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