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策に嵌る 啓太side
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あれから、なんとか痛みから立ち直り、護身術を教わった
まだ完全に身にはついていないけど、コツは掴んだ気がする
ボスからの招集に、部屋まで3人で向かう最中、涼平さんの後ろ姿を見て先程の自分のやられ様を思い出した
俺って、非力だな…
唇をかみしめた
「啓太?調子わるい?」
隣に歩いている実さんが俺の顔を覗き込む
「俺、キアロスクーロに本当に入ってよかったんでしょうか…」
「どうして?」
「俺は涼平さんみたいに攻撃力もない。自分の身を守るのさえ精一杯で…逆に足手まといなんじゃないかって…」
そう言って、自分で余計に悔しくなった
「けーいーたっ!急に弱気になってどうした。足手まといにならないように、今頑張ってるんだろ?」
涼平さんはくるりと振り向き俺の頭に手を乗せる
「そうです。けど…」
「壱くんを助けたいんだろ?」
その言葉はズキリと心臓にささった
そうだ、俺は壱を助けようと思っていたのに
今でも壱は辛い思いをしているかもしれないのに
俺が、くよくよしてどうする
「すみません、おれ…助けたいです、壱を。それから、強くなりたいです!」
ぐっと大きな声をだす
そうすると涼平さんが俺の手を握った
「そうだ!その気迫だ!」
「はい!」
「このボスの呼び出しが終わったら、猛特訓だ!」
「はい!」
俺と涼平さんのやり取りをみて、実さんはやれやれと軽く息を吐いた
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