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策に嵌る 浩side
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「お待たせしました、ボス」
手を額の前で合わせ片膝をつく
この姿勢をしたのは随分久しぶりだ
様々な事情を抱えて、キアロスクーロに引き抜かれた他のメンバーと違い、ごく普通に生活してきた俺は、このアジトに住んでいない
仕事をする時も、ほとんどが陸を通してしているから、ここにくることも、ボスと顔を合わせることも頻繁ではなかった
「浩、久しぶりだな」
そう俺を迎えるボスは、威厳もあれば、どんな奴でも受け入れるような、懐の深さがある不思議な人だ
「頼まれていた仕事は全て遂行しました。壱の件、陸から聞きました、協力嬉しく思います」
「ああ、ご苦労だった。約束通り、壱くんの件が片付くまでは、他の仕事は頼まない。それだけに取り組んでくれたらいい」
ありがとうございます
俺は改めて深々とお辞儀をした
「まず、今の状況と、入手した情報を報告しようか、陸、頼めるか?」
「任せて下さい、ボス」
そう言い、陸は俺に報告書を手渡す
「あれ?今日は成はいないんですか?」
召集や報告はほとんど、成が行う
それ以外でも、侍従として、常にボスの側に仕えているのだが…
「ああ、成なら、俺の部屋で寝てる」
「成がですか?珍しいですね」
誰よりも早く起き、誰よりも遅くまで仕事に勤しむ彼が、こんな時間まで寝ているなんて
そう呑気な事を考えていたが、陸の溜息と目線で察しがつく
もしや、今回の件に関わっているのか?
そう聞こうとしたが、陸が報告を始める
俺は気を取り直して、そちらに集中した
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