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山口side6
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日向と帰っているけど、
さっきからずっと俺は“心ここにあらず”って感じでただぼーっと遠くの山を見据えていた。
日向が気をきかせてバレーの話しや、
俺が練習しているサーブの話しを
話題にふってくれるけど、相槌を打つだけで精一杯の状態だった。
「……おーい。山口ぃ……?」
「………。」
「……山口ってばぁ!」
「……へっ?ご、ごめん。ぼーっとしてたっ…」
「大丈夫か、お前…?」
「……うん。何とか……」
薄っぺらく笑ってみたけれど、
果たしてそれが笑えていたかさえ不安だ。
「最近、元気ないよな。お腹すいたの?」
そう冗談混じりに日向が声を掛けてくれるが、今の俺には首をただ横に振ることしか出来ない。
「んー、まぁ色々あるよな。人間だし。」
日向っぽく簡単にしめてしまったけれど、
多分これも俺への心遣いだと思う。
「なぁ~……」
「……どうしたの……?」
「もし、もし山口が良かったらなんだけどさっ……」
「……?」
「………これからも月島が帰れないときとか一緒帰らねー……?」
ありがとう。
日向、俺を思って……
「……いいよっ!」
俺は今日一番の笑顔を精一杯作ってそれに答えた。
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