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二口side5
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「駄目ですって。俺的に。」
不意に口から出た言葉。
ちょっと、茂庭さんを傷つけちゃったかな?何て思っても遅い。
「え……。」
茂庭さんは、消えそうな声を必死に振り絞って出したという感じだ。
「いや、別に、茂庭さんがいけないとかいうんじゃないっスよ…?」
俺の必死のフォローは利かずに、茂庭さんは、あたふたしたまま、でもキチンと言い放った。
「そうだよねっ。ごめん。二口には、心に決めた人いるんだもんねぇ。俺なんかに甘えなくて、その人に甘えたいよね…。無神経だったかな?ごめんねっ!」
あ~ぁ。すれ違い。いや、これは違う。完璧に俺の言葉足らずだ。今更、自己嫌悪したって遅い。
しかも、今の茂庭さんのは、流石に俺も少し傷ついた。
やっぱり、どうあがいたって駄目なのかもな。俺、婚約者と結婚することになるんだろうな。
だって、俺の想い人は、こんなんだし…。
幾らアピールしても気づいてすらいない。
少しあがいてみて、駄目っぽかったら、やめよ。茂庭さんに迷惑かけるだけだし。
今頃、冷静になった俺は思った。
「あ、家着いちゃった。またねっ…。」
あぁ。茂庭さんの家に着いたのか。
「今日はありがとうございました。無理なことも引き受けさせてしまって。感謝してます。茂庭さん、じやあ、また明日。お休みなさい。」
俺は、ありったけの恋心を込めて、さようならをした。
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