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影山side10
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「………。」
告白してから、静かになってしまって。
どちらからともなく告白したのはいいし、調子にのって何回も何回も好きって言ったのは良いけど、言った後からの恥ずかしさを忘れていた。
「…ふぅ。」
菅原さんが溜め息をついた…。
やっぱり…
「…しっ!はい、照れモード終わり!」
大きな声で菅原さんが発した言葉の意味が分からない俺は、首を捻った。
「…?」
「だからさ、付き合えるってことになったんだし、いっぱい話そうよ!俺まだ、国見くんより影山のこと知らないしさっ…。」
そう言った菅原さんは少し寂しそうだった。
「?!何で、国見が出てくるんです?!」
「…ん?だって、国見くんに告白されたんでしょ?」
「…でもっ!告白は、断りましたし…」
「国見くんだってさ、好きだったんだから、俺が影山のことテキトウにしてたら、いつ取りにくるかわかんないじゃん?」
「…え。」
菅原さんの言葉にびっくりした…。
そうだよな、国見だって、そんなすぐすぐ俺のこと本気で好きなら、諦めれるわけないよな。確かに、冷静に考えればそうだ。
「でもさ、俺、影山渡す気ないから。」
その言葉に俺の顔はみるみるうちに真っ赤になっていく。
俺は、菅原さんから、少し離れて、しゃがみ込んだ。
「どうした……?」
そう言いながら、菅原さんが俺に近づいてくる。
「こ、来ないでくださいっ!」
俺は声を張り上げて言った。
「…へ?」
菅原さんは、間抜けた声を出した。
「あ、あのっ!カッコ悪いから…。情けない顔してるから…」
「アハハっ。そ~んなこと言うの?」
俺には、菅原さんが笑っている意味が分からなかった。
「どんな影山でも見せてよ。さっき、国見くんより影山のこと知りたいって言ったばっかりじゃん!」
「あ…。うぅ……でも……」
「でもじゃない!見せてくれないの、飛雄……」
『飛雄』その単語に異常に反応した俺。
仕方なく顔をあげると、菅原さんがニッコリ微笑みかけていた。
その表情が月に照らされていて、とても綺麗だった。
「菅原さん、好きです。」
「うん、知ってる。飛雄、好き。」
すんなりとしたの名前で呼んでくる菅原さんは凄いなぁって思う。
「(こ、こ、孝支……)」
俺も負けじと頑張って口に出したが、ハッキリと言えず、菅原さんの耳に届く前に消えた。
「何かいった……?」
「こ、孝支!好きです!」
「うん、ありがとう。ちゃんと届いたよ…。」
好き、好きって言葉じゃ足りない好き。
影山×菅原
the end
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