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ヤッてる最中はもうさぶちゃんの事なんか頭からすっぽ抜けちゃった。
気持ちよくて最高。
まさに夢心地。⋯⋯だったのだけど。
「やっばい⋯⋯」
さぶちゃんを待たせてる事まで忘れてた。
急いで身なりを整えて、空き教室を出ようとした時だった。
ドアが、不自然に開いていたんだ。
まるで誰かが覗いていたかのように。
一気に血の気が引いていくのが分かった。
まさか、と思いながらドアを開ける。
そこには誰もいない。いないけど、落ちているものが一つ。
それはいつからか、さぶちゃんに買ってあげた猫のキーホルダーだった。
引きちぎられたようなチェーンを見て、ますます血の気が引いた。
急いで待ち合わせしていた教室まで走る。
だけどそこにはやっぱりさぶちゃんはいなくて、いつもさぶちゃんが座る所に書き置きだけがあった。
『さようなら』
それだけ。
やばいと思うのに、俺は心の何処かで思ってた。
さぶちゃんの事だから泣いて別れたくないって縋り付いてくるって。
だから明日また話し合おうなんて、悠長な事を考えていたんだ。
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