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1‐1「新学期です」
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「おはよ、兄さん。朝だよ、起きて」
目を開けると、双子の弟が俺の隣で横になっていた。いつも通り。
弟、椎野莉玖と俺、莉都はこのマンションのひと部屋で二人暮らし。
両親は今どこにいるやら。カメラマンをしていると昔に聞いたことがある。
二人で暮らすには十分のお金は振り込まれているから、まあ、無事なら別に構わない。
今の生活に不満があるわけでもないし。
ともかく。
「おはよ。離れろ、起きるから」
「うん」
今日から新学期。そして高校二年になる。
新学期早々遅刻するわけにもいかない。机の上の時計を見ると、まだ6時半。
どうやらいつもより早くにお越してくれたようだ。ふわりといい匂いがした。
「朝ごはん、出来てるよ。着替えたらリビングに来てね」
「あぁ」
料理は莉玖。掃除と洗濯は俺。昔からそうしている。おかげで莉玖の料理はうまい。
毎朝朝食を作ってくれるし、マジ感謝してます。俺は絶対無理だな。起こされないと起きないし。
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