アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Ⅱ.. 部長、苦戦中
-
毎日探し回って見つかるのは週に3回程度。
本当、いつもどこにいるのさー!
無視され続けるのも限界なもんで。
今日は噛み付いてでも、捕まえてやる。
…って、意気込んでみたものの、見つからない。
屋上で待ち伏せでもしてやるか。
4限目、屋上の上の上?展望台の裏に行く。
そこが僕と子犬の秘密の場所。
一方的に僕が来てるだけなんだけど!
「あら、見っけ」
「…あ?」
壁に寄りかかって寝てたみたい。
この時間帯なら来ないと思ったのか、何やってんだよって顔をしてきた。
お前も何やってんだよ。
立ち上がろうとする子犬の腿の上に跨って阻止。
ついでに壁に手をついてみた。
かっこよくできたかな!?
「退けよ」
「何で逃げるの?」
「しつけぇんだよ」
「僕は君に興味がある。大人しくするから隣に居させてくれない?」
「…俺はお前に興味ない。散れ」
散れって。久々に聞いたなぁ。
あきらが荒れてた時以来だ。
「…お願い、隣に居させて」
「誰も要らねぇんだよ。帰れ」
もう、本当強がり!!
泣きそうな顔してる癖に。
目も合わせられない癖に。
そんなんで僕を突き放せると思うなよ。
「…もううんざりなんだよ。裏切られんのは」
あー、泣かせてるのは僕か。
でもそんなに怖がらなくてもいいんだ。
僕がそうして貰ったように、子犬にもこの世界を見せてあげたい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 65