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Ⅱ.. 狼は子犬
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本当は誰にも言っちゃいけないんだけど、今回は例外って事で許してもらおう。
「君、この学園の裏部って知ってる?」
「ああ、何でも解決してくれる正体不明の裏サイト部だろ」
正体不明だって!裏サイトだって!かっこいい!
「そうそう。それ立ち上げて部長してるの、僕」
「……」
そんなに顔を顰めなくても。
信じられないかなぁ。
「…お前が部長、世も末だな」
「あっ!?子犬いま馬鹿にしたな!?」
「子犬じゃねぇよ。んで、それが何?」
流すな!!!
すっごく失礼な事言ったよ!!!
頭を撫でても許さないから!!!
「んん…それで、君が転校してきてから、急激に依頼件数が増えてきたの。最初は無視してたんだけど多過ぎて、気になったから少し調べさせてもらった…ごめんなさい」
「…そうか」
上から聞こえたのは、酷く冷たいものだった。
「軽蔑しただろ、親捨てて逃げた先が俺らを壊した奴、本人の家だった。そいつに頼ってここ来てんだよ」
「君は悪くない、軽蔑なんかしないよ」
「心ん中までは分かんねぇだろ!」
見上げた子犬の目には、今にも零れそうな程、涙が溜まっていた。
「口先だけなら何とでも言えんだよ」
僕は体を起こし、向き合う体制で子犬の足の上に座って頭を抱き寄せた。子犬は抵抗せずに、僕に身を預ける。
「…軽蔑しているのは、君自身じゃないの?」
優しく背中を撫でながら肩に乗る子犬の頭に頬を寄せた。
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