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Ⅱ.. 狼は子犬
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酷くされても、前みたいに愛されていなくても、子犬は両親が大好きだった。けど限界だったんだよね。
愛される事を知っていたから、余計に辛いんだ。
心が愛を求めていた時に、そいつに出会ってしまった。
「俺が…生まれてこなければって、何度も思った。原因がアイツでも、子供が出来なけりゃ両親は今も幸せな家庭を築けてたんだよ」
心優しい、周りを気遣える子だからこそ、その小さな胸に重りをずっと抱えて、人の罪まで背負ってしまうんだ。
「碧、そんな事を言わないで。短い時間だったけど、ご両親は君が生まれて、成長を見守る事が出来て、沢山の幸せを感じていた。それに変わりはないでしょ?これは時間で解決できるものじゃない。けど君が縛られる必要もない。自分で自分を否定しないで」
僕とは違う、強い狼の真似をしている子犬は、皆に愛される資格があるんだよ。
だって、こんなにも、綺麗な心を持っているんだもん。
「変な奴。お前に何がわかるんだよ。…けど、あの時お前に出会ってたら、少し違ってたんだろうな」
困った様に笑う子犬はとても可愛らしかった。
って事は、少しだけ、心を開いてくれたのかな?
良い気分で教室に戻った時、あきらに時間がかかりすぎだと説教を食らったのは言うまでもないでしょう…
もうお昼です。
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