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Ⅲ.. 天使のお悩み
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「ねーぇ、あきら」
「…」
「ここ何日か、我が天使に避けられてる気がするのですよ」
「へえ」
「真面目に聞いて!」
事の始まりは、子犬を部員にした翌週だった。
僕達は裏部の身バレを避けるため、部員同士の関わり合いはなるべく少なくしている。ただ、たまに絡んでも違和感がない位には絡まないといけない。絡みが少なすぎると一緒にいた時に騒がれるし、絡み過ぎても話していない時期があると噂になる。難しい。
特に平凡の僕は、幼馴染のあきらを除いた2人に絡むと、余計ね。
子猫ちゃん達、可愛いけどえげつないのよ。
つまり、見てる人は見てる訳で。
くぅちゃん見掛けないなーって思ってたら、匿名で『望月様が避けておられます。喧嘩なさったのですか』って心配するお手紙が届いた。
「どうしたもんかなぁ」
「…そんなに気になんなら本人に聞いたら」
めんどくせえ、そんな顔をしながらソファに寝転がるあきら。床に座る僕はソファに顎を乗せてそれを見詰めていた。
「捕まらないから困ってんのよ…いつかの子犬みたい」
出会った時から甘えたのくぅちゃんに避けられている事にだいぶショックを受けてるなちさん。ちとやばい。
気分転換に一眠りしようかな。
つまらなそうにテレビを眺めるあきらの手を取り自分の頭に乗せるとそのままゆっくりと目を閉じた。
ああ、早くあの子の不安をなくしてあげたいなぁ。
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