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唇が離れるときの「ちゅ」という音が、やたらと大きく聴こえて、蒔田はおもいきり深山の唇を吸っていたことに気づいた。
「べろちゅーは、ナシだろ!」
今度は深山がうめくような抗議の声をあげる。
蒔田のせいで濡れた色をした唇を、手の甲でぬぐうしぐさに、(ひどい…)と思うけれども。
照れのせいか、それとも酸欠のせいか、深山のうなじは耳まで赤い。狙ったように色づいたそこに、食らいつきたい、なんて。
昼間の、性欲うんぬんっていう深山の爆弾発言の時には。偉そうに、ジェントルマンだとか淡白だとか。平静を装っていながら。
深山から、まんざらでもない気持ちを受けとってすぐに、その気になるなんて。なんて単純。蒔田は、自分でも呆れながら、だけど「枯れてる」っていう汚名は返上できそうだ、なんて少し嬉しくも思う。
ああ、でもその前に。
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