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「…すみません」
蒔田は掴んでいた深山の腕を離して、息を吐き出す。そうすると肩の力が抜けて、やっぱり少なからず緊張していたんだと。そして深山もまた、ようやく身体を弛緩させたのがわかった。
蒔田が身をのりだして、深山の後ろにある扇風機のボタンを押すと。びくり、と深山が一瞬構えたから。吹き荒れていた風が弱まるのと同じくらい気持ちが凪いでいくのを感じた。
やっぱり、やりすぎたかもしれない。
座った姿勢が、深山があぐらで蒔田が正座なのは。ここにきて自分がやらかしてしまったことへの無意識での反省の表れかもしれない。
だけど。
「なに謝ってんの」
聞いたことないような冷たい声で、目の前の人が尋ねた。何について?
「ちゅーのこと?」
それとも、好きってこと。
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