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ーゆうと。これ、お土産。
電車に揺られている間、頭の中でシミュレーションしていた言葉は、駅の改札を抜けると儚く霧散してしまった。
「ミヤさん、お土産です」
蒔田はいつも通りの敬語とともに、突き当たりの壁際で待っていた深山に、提げていたものを手渡した。
ゆうと。なんて、妄想の中でしか呼べない。
高村がユウ、と呼ぶのを聞いて、その特別な響きに妬けたのは事実だ。
だけど「名前で呼んでいいですか」なんて聞けないし、なしくずし的に呼んでしまおうと考えても、結局考えるだけ、だ。
敬語にしても、そう。タメ語でいいよなんて言われても。染み付いた体育会系の癖は抜けないし、なかなかそう簡単にはいかないのが現状だった。
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