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駅から深山のアパートへと向かう道は、徒歩10分程度らしい。その間、蒔田は知らない町を探検する気分を存分に味わった。実際、ここの駅では降りたこともないし本当に土地勘がない。
さすがの深山も、自分のアパートまでの道に迷うことはないんだろう。蒔田の半歩くらい前を歩く。いつもと逆で、不思議な感覚がする。
深山の行きつけの店とかないのかな、と見渡すけれど。「そんなものはない」と一蹴されそうだから。勝手に想像しながら歩く。
そうしていたら。
思いもかけないところで深山の足が止まった。
「ここ」
説明が少なすぎる気がするけれど。ここはまぎれもなく某大手(関西では有名な)スーパーだ。およそ、深山には縁がなさそうな店だ。ドラッグストアやコンビニならいざ知らず。
そう疑問に思って訊ねると。
「うち、何もないから」
マキに見繕ってもらおうと思って。と肩をすくめて深山が続けた。
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