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気を取り直してハヤシライスを仕込み、あとは弱火にかけて煮込んでいる間、
「マキ…こっち」
ちょいちょい、と深山に手で招かれて、蒔田は先ほどちらりと見えた部屋の奥へと進む。
東側の壁にピッタリとくっつけたシングルのベッドと。その横には炬燵布団のないこたつ。その向かいに、テレビとカラーボックスを横倒しにしたテレビ台。
大きな家具はそれくらいだけど、裏を返せばそれくらいしかおけないワンルーム。本棚を置けないせいか、ベッドやテレビのわきや炬燵の回りに、本が無造作に積み重ねられている。
居住空間と、睡眠の空間が一緒になっているのは、もちろんワンルームではどうしようもないことだけど。蒔田はそれが苦手でベッドではなく布団を上げ下げすることにしている。
だから逆に、横着そうな深山がベッドに寝ているのは容易に想像できたし、らしいといえばらしい部屋だった。
「ゲームか寝るくらいしかやることねーから」
深山は、そういいながらベッドに腰かけた。
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