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よほど、蒔田がひどい顔をしたんだろう。
深山が慌ててフォローを入れる。
「ちげーよ、もういいっていうのは、そういう意味じゃない…謝ってくれなくていいってことだから」
物別れになった日の再来を恐れてか、深山はちゃんと、足りない言葉を付け加えてくれる。
「あの時、あーいう流れなら、そういうことになっても別にいいって思ってたし…」
ここには他の第三者がいるわけでもないのに、深山の台詞にはやたらと代名詞が多い。
「俺だって男だし。…えっと、そっち側?なのは抵抗あったからちょっと、その」
そこまで捲し立てて、「何を口走ってんだ」と赤くなって下を向く。全くらしくないことをしている自覚があるんだろう。
蒔田に、なんで俺ばかりしゃべらせてんだ、とでもいわんばかりの恨めしげ視線を走らせる。
「ともかく!あのときの言葉は、失敗した」
そう切り上げて、悪かった、と頭を下げた。
その姿に、蒔田は情けない顔をして、
「まじで、」
もうダメかと思いました。力なく笑った。
「あの後、ミヤさん、音信不通だし…こっちからは行かないって啖呵切っちゃったし…」
「でも、大変なときに、すみませんでした」
そういって、蒔田も頭を下げる。そして、もうひとつ気になっていたことを口にした。
「おじいさん、…残念でしたね」
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