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夕方になってから。
二人で連れ立って行ったスーパーからの帰り。蒔田がいつもジョギングがてら通る河川敷を経由したくて、深山には内緒で遠回りする。
肉と野菜は一度火を通してあるからルゥはゆっくりでもいい。
最近知ったことだけど。深山は道を覚えるのがかなり苦手で。蒔田と歩くとき、行きと帰りの道が違っていても気づかない。アパートに近づいて、いつもと違う方向から帰ってきたことにようやく気づくくらい。
だから、初めて蒔田のアパートについて来たときにやたらとキョロキョロしていたのは、頑張って駅からの道を覚えようとしていたらしい。
そんな普段しない努力をしていたんだと知ったとき。いいようのない喜びを感じたのは、秘密だ。
西日がまだ暑い夕方の河川敷は、犬の散歩や蒔田みたいにジョギングする人がちらほらいて。その中で目につくのは、素振りをする少年たち。
蒔田がジョギングを始めてしばらくして中学生の部活の集団と挨拶をかわすようになって。そのうちの数人が、部活の休みとか早く終わった日にここで素振りやキャッチボールをしていることに気づいた。
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