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それっきり何のコメントも寄越さない深山に、
「なんか買ってきて欲しいものあります?」
同郷のよしみだ。一応、聞いておく。
「…シャンプーと、コンタクトの保存液」
「はい?」
うちのシャンプー、そろそろ切れそうだし。あと、コンタクトの保存液、いちいち持ってくんのめんどくさいからここに置いとけよ。
食べながらもごもご話すから、いまいちよく聞き取れないけど、大体こんな感じ。
「ちがう、違いますって!あっちの、地元のお土産ですよ!」
コンタクトの保存液を蒔田のアパートに置いておく話にもヒトコト言いたいところだけど、そんな場合じゃない。
日用品の御用聞きがしたいわけではなく。帰省しない深山のかわりに、地元の懐かしいものでも買ってこようかと聞いてみたのに。はんぺんとか、パイとか。もっとお土産っぽいものを。
「ん…じゃあ考えとく」
深山はしばらく宙を見て考えるような素振りをして、結局お土産になりそうなものを挙げないまま、その話はお仕舞いになった。
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