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ごめんね、なんてらしくない言葉だけど。それよりも、大事な人、という思わぬ言葉に、蒔田はなんて返していいかわからなくなってしまう。
否定すれば深山のことを否定するような気がするし、かといって肯定すれば詮索好きの千佳のことだから根掘り葉掘り聞かれてしまうだろう。
そもそも。男同士の間で、大事な人という表現は当てはまるのかどうか。
「うん…いや、どうかな」
結局、蒔田の口からでたのはなんとも煮え切らない答えで。そのとたん、千佳の表情がガラリと変わる。
「なにそれ?」
「え」
「自分にとって大事な人かどうかもわかんないの」
怒られる理由はわからないが、明らかに千佳は怒っていた。
「そんなだから。ヨーコさんとも駄目になんのよ」
千佳の言うヨーコさんは、大学に入ってすぐ、告白してくれてそのまま付き合うことになった女の子で、蓉子ちゃん。自然消滅だった。
そう考えているのが顔でバレたのか。千佳がさらにヒートアップして。次々に辛辣な言葉が出てくる。だから、小さいときから蒔田には姉が三人いるような気がするんだ。
「自然消滅とか思ってんのかもしれないけど。違うからね!付き合ってるならやるべきこと、女の子がやってほしいことを全部サボってた、たっちゃんが悪いんだから」
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