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勇者、神田夏
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真田に連行され、無理矢理押し込められた場所は図書室だった。
この学校の図書室はあまり使われる事もないせいか、誰も居なかった。
「ねぇ、先輩」
いつもより1トーン低い真田の声に体を震わせる。
「俺はこーんなにも先輩を愛してるんですよ?この目に映るのは先輩の姿だけなのに…先輩は俺だけを映してくれないんですね。
俺、先輩が嫌がる姿見たくないんですけどねぇ…
でもこの愛を分かってくれないなら、少しお仕置きも必要かなぁ」
サァーッと顔が青ざめるのが分かる。
どうしよう、逃げたいのに…体が全く動かない。
真田の真っ赤な瞳は金縛り効果でもあるのかって思うほど…
俺は固まったままだった。
「夏先輩、痛いの嫌いですよね。子供の時から転んだ時には大泣きして、歯医者も怖い怖いって、泣いてたんでしたっけ」
「な、んで…知ってんの…」
「あははっ。先輩のことならなーんでも知ってますよ!名前も住所も生年月日も好きなものも…
苦手な食べ物も好きなテレビも先輩の気持ちいい敏感な場所も…ぜーんぶ、俺は知ってるよ?」
さっきよりも、空気が冷えた気がした。
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