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真田、回避できません!
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「あのさ…前から聞きたかったんだけど」
薄暗くなってきた空を見上げた後、俺は真田を見つめる。
「なんで俺を好き、なのかなって…」
自分で言うのも恥ずかしくなり、真田から目を逸らす。
「夏先輩は覚えてないですかね…俺、昔荒れてて…喧嘩とかよくしてたんですよ。
中学3年の時…前、喧嘩売った相手に復讐されてボコボコにされたんです。
苦しいし辛いし、俺はもう駄目なのかなーって思ったりもしてて…
そしたら、夏先輩が俺の前に立ち止まったんです」
「俺が?」
「はい。なんだろう、この人って思ってたら急にあたふたし始めて…警察?救急車?消防!?なんて言い始めて…
可愛いなぁ…って、思った事がきっかけです。偶然にも制服に見覚えあったので、追っかけて来ちゃいました」
確かに、昔そんな事をしたような気がする。
だけど相当テンパってて、あんまり顔とか見てなかったかも…
「先輩が救急車呼んでくれなかったら、俺は今頃、ここには居ませんね。
行き倒れて骨になってたかもしれません」
いやいやいや…それはないだろ。
いや?あり得るのか?!
「だから、ありがとうございます夏先輩」
「べ、別に…」
「結婚しましょうか」
「べ、別ーって!しねーよ!危ないとこだったわ!」
「惜しかったです」
真田は少し変わってる…いや、かなり変わってるが、悪い奴じゃないみたいだ。
隣でニコニコしている真田を見ながら、そう思ったのはここだけの話。
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