アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
‐5
-
私達の疑問にも次々、答えてくれる。
「竹内さんは、家のハウスキーパーさん。平日勤務で家事全般をお願いしてる。
で、俺の奥さんは、その写真の白い服の方の人。勿論、男性。
結婚して何年も経つけどラブラブで、仲良しなんですが、彼もお医者の卵くんなので
最近すれ違い夫婦生活でございます。他にご質問は?」
ゲイカップルなことを、ここまでおおっぴらな彼が、なんだか、
誰より、信頼できる気がしている自分が・・・ちょっと不思議だった。
◇◇◇
佐倉医師の個人部屋だという部屋に通されて、
手を洗い、聴診器を下げてる彼の指示で、千色はシャツの釦を外し、前を開ける。
既に、さっきまでのチャラけた表情はない。
「ふーん。ごめんね、シャツを全部脱いでくれるかな?」
指示通り、俯き加減の千色は細かいストライプ模様のワイシャツを脱ぐ。
「その、ここが膨らんできたのはいつぐらいから?」
「ここ半年くらいです、目立つようになったのは。あ、痛っ」
強めに触診されたのか、千色が思わず声を上げた。
「と、言うことは、目立つ前から、異常があったと?」
「1年位前から痛がってました、触られると。繊維が触れるのも痛い時があると、な?」
言い淀む千色に代わって答える。
「それと強い痛み止めを服用しないと、眠れない程の下腹部痛と片頭痛、だね?」
脱いでも寒くない程度まで、暖められた部屋なのに、
千色の桃色の乳首は立ち上がっている。
・・・まるで、医師の手に、応えるように。
「ねえ、揉んでるでしょう、タロウくん」
「は?」
「千色くんのおっぱい、揉んでるよね?ぜったい」
かあっと、我ながら、頬が熱くなるのが分かる。
佐倉医師は、手を離し、こめかみに指を当てて、教科書らしき分厚い本を捲っている。
なにか、思い当たることがあるようで、ある頁までで、止めて、宙を見る。
「セックスしてるでしょう?ってことは、下も、もちろん見てるよね?彼、普通じゃないでしょう?」
「き、決めつけないで下さい!」
「千色くん、感じてるもん。シてるなって解る。これ、キスマだった痣だ」
膨らんだ胸の下、うっすらと残っていた鬱血痕を指差される。
医師に診せに行く決意から、最近は痕をつけるのを控えていたのだが、前の物だろう。
「俺の予測が当たってたら、大至急、精密検査が必要だ。千色くん、全部見せてくれるかな」
「ぜ、んぶ・・・僕の身体をですか?」
「うん、見ず知らずの俺になんか、怖いだろうけど。
これは推察だけど、君の近しい人が、君の身体を誰にも見せるなと、君に言い聞かせてたりするよね?
確か、14歳だったよね、君は。声変わりはあった?」
それとね・・・
質問攻めを始めた、佐倉医師は、言い淀む。
そして、決意を込め、堰を切ったように、話し出した。
「もう一人、俺の医師仲間に診せることを許してくれないかな。
俺の友人で、産婦人科の後期研修医1年目の女医なんだけど、そいつの実家が
家の大学傘下の産婦人科個人医院してるから、そこに行けば紹介状も書けるし、
明日の精密検査予約も取り付けられると思うんだ」
産婦人科って、女子の用向きの場所だろう・・・。
千色になんの関わりがあるっていうんだよ。
たかが、胸が膨らんだくらいで。声変わりがないくらいで。
・・・身体が、私と違うくらいで。
◇◇◇
佐倉医師の車に乗せられて着いたのは、建ったばかりの動物の絵やら何やらのファンシーな物塗れな
いかにも、マタニティークリニック然としたこじんまりとした病院。
ファンシーな外観にそぐわぬ、目の下に真っ黒な隈をつけたボブカットの女医が
私達の到着を、イライラしながら玄関口で待っていた。
「紹介する、俺の同僚でもある、阿川医師。家の大学で働いてて、今日は同じく夜勤明け」
「阿川です。因みに、阿川マタニティークリニック次期、医院長予定ね・・・
で、あたしの美貌を台無しにする皆さまを、ご案内するわね」
見た目は、ふんわりした優しげな人なのに、夜勤明けとは、人相も怖くなるものなのかも。
ただでさえ、怯える千色の背を押してやりながら、私は2人の後に続いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 41