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宴は、主も使用人も一切関係なく。私達みんなで、遅くまで、賑やかに行い。
食の細い千色も、小百合の口と態度は悪いが、腕はプロ級の、春らしいご馳走メニューを
小さな口を一生懸命動かして、始終笑顔で、珍しく、結構食べてくれた。
遠藤以外が未成年な私達の乾杯は、林檎の炭酸ジュースだ。
遠藤もどちらかと言えば下戸だし、未成年の主従達を守る気概が
飲酒に魅力を感じなくさせるのだと笑っている。
乾杯の後、冷えてはいけないと、あかねに気遣われ
千色は服を改められ、先程までのジャンパースカートになったが
いつの間に、クローゼットに加えられていたのか、下に着ているブラウスは、ほんのり淡い桃色で。
「ちぃは、そういう優しい色合いも似合うんだから、これからは着るように。命令ね?」
「女の子みたいでおかしくありませんか?」
「ん~どうだろう。ちぃは、今は、どちらでもあるのだから、私は可愛くて素敵だと思うよ」
私の皿のホワイトアスパラガスのブランマンジェを、一匙、掬って
千色の口元へ運んであげると、パクッと、小鳥の雛のように食べてくれる。
「新さま、こちらもどうぞ?」
ふーふーと吹いて、お返しに蛤の吸い物を差し出してくれる。
互いに食べさせ合って、ニコニコしていると、小百合辺りが、いつもなら怒るのだが。
今日は、お祝いだから、たっぷり千色を甘やかしていいのだそうだ。
場も和み、それぞれが腹が満ち、遠藤と小百合とあかねは窓辺に行き、飲み物を片手に夜桜を眺め。
ちょうど常夜灯の灯りが桜の大木を照らすから、室内灯は落としていた。
私と千色は、ソファーで寄り添い合いながら、そんな皆と桜の姿を室内から見ている。
殆ど、話すこともなくて、お互いの体温が心地よくて、微睡みそうになっている。
「あの・・・・・・新さま?」
「・・・ん?どうした?」
暖かさに眠たくなっていたのは私だけだったようで
突如、もじもじと身を離そうとしながら、話しかけた千色を見る。
「み、見ないで・・・そのまま聞いていて下さい」
「どうしたの?ちぃ、何か恥ずかしいの?」
「はい、お願いです。今は、僕の顔を見ないで下さい」
語気を荒げた後、薄闇に消え入りそうな声が耳元で聞こえる。
「阿川先生が・・・・・・生理が終わったら、シテも、いいって」
「・・・・・・ほ、本当に?」
「ま、まだ、女の子の方は、使っちゃダメで。必ずゴムをするようにって」
顔を覗き込もうとする私から逃げるように、私の胸に顔を埋めてしまうから
首筋と耳しかわからない熱を帯びた千色の顔色。
家を出てくる騒動の日以来、私達はそういうことを一切しないで来た。
血気盛んな年頃で、目の前に愛しい千色がいる状況に、ムラムラしないわけなどなく。
帝王学のあの授業も勿論していないから、まあ、一人で解消する手立てで乗り切ってきた。
半月以上、オリモノなる現象が続き、千色も、秘部を暴かれることを恥じるし、
正直な所、あの物体は、少し、見た感じ、気味が悪かった。
ならば、口で奉仕をしてくれると、いつも言ってくれるが、
私は、もう、千色が己の身体のことで、こんなに苦しんでいるのに
バカな劣情の源を咥えさせるなんて非道過ぎるとしか思えなかった。
「・・・イヤラシイ、使用人で、ごめんなさい。
ですが・・・僕は、新さまに、また、抱いていただきたいのです」
声を震わせて、ダメでしょうかと呟く千色。
きっと、誰よりも、身体が変わってしまうことが怖い、千色。
それによって、私の想いが離れていくのではないかと、不安でいっぱいな、千色。
そうだね、出て来たあの日も、吃驚してしまった私は、少しお前に、ぎこちなかった。
あれ以来、肌を全く求めなくなったら、お前が気にしてしまうって、私は気が付かなかった。
キスだって、唇にしてあげなくなってたね。
額や頬に落とす度、寂しそうに少し突き出す唇は、目の毒で。直ぐに部屋に下らせた。
一緒のベッドに、ここに来てからと言うもの休んでもいないね。
「ねえ、ちぃ?ちぃの肌に触れれなかったのはね、私を律するためでお前を疎んじたからではないよ?」
顔を上げない千色の髪を撫でて、私は精一杯の優しさを込めて語りかける。
「ちぃが大好きで、とっても大事。だから、お前を愛してるって言うんだ、わかるね?」
こくん、と頭が揺れるのを、掌と押し付けられてる胸で感じる。
ねえ、千色。聞こえているよね、私の心臓の音が。
どんどん速度を上げて脈動するそれが、千色の欲しい答えなんだって、知ってくれるかな。
「首を長くして、その日を待ってる。千色のタイミングで、私の寝室に訊ねておいで、ね?
私は、ずーっと、お前が欲しかったんだって、一晩中でも教えてあげるから」
きゅっと、私の首に縋って、抱きついてくれて。
千色の涙と共に絞り出した可愛い鳴き声は、「ひゃい」だった。
まったく、何と混じってしまったんだろう。
やっぱり、可愛い、千色は。ものすごく、最高、だ!
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