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「さっきも告げたように、千色は行く行く私の伴侶になって欲しい人だよ。
どうして飼い犬などと思えようか」
身を起こさせて、やっと更に涙で汚れてしまった顔を、準備していたティッシュで、そっと拭いてあげれた。
「どうしても、私の飼っている何かがいいのかな?」
「・・・・・・伴侶など、望んではバチがあたります。ゆるして・・・いただけ、ません」
「質問の答えになっていないよ、飼われていたいの?」
「ロコみたいに、なりたいんです。
ただ、無邪気に新さまの事が好きでいたいんです。柵とかなしに」
千色の腰を抱き寄せ、そっと額に口付けをあげる。
肌と肌の温もりは、なんと心地よいのだろうか。
千色のいつもはもう少し冷たい肌が、発熱しているみたいに熱くて、
私に欲情してくれている証なのが嬉しい。
腰から、右手を背骨に沿って上に這わせ、肩甲骨の下をそっと撫でる。
感じているみたいで、千色の顔が少し歪んだ。
「私が飼うのは、天使だね」
「てんし?」
「そう、私の為だけに生きてくれている、天使だよ、千色は。
ずっと、心からそう思って来たんだ、告げたことはなかったけれど。
ねえ、私の元に、ずっと一緒に居て。飼われてくれますか、天使さま?」
「お、畏れ多い、僕が、そんな高貴な存在なはずありません!いけません」
トントンと肩甲骨を指先で軽く叩いてみる。
「変だな、ここに、ちぃは翼を隠しているよ。触ってごらん?」
おずおずと自分の手を回し、私の指の側で、その辺りを撫でる。
「た、ただの肩甲骨です。変な場所じゃありません。新さまにもあります」
「そうかな。私に会うためにここに折り畳んで隠して来たのだと思うんだが、証拠にほら」
「ンッ、ァ、ふぁ」
「私は触られてもなんともないのに、ここ、感じるでしょ、ちぃは」
千色の手を使って撫で上げてみた。反るから尚更、細身の背は、進化の別れ道で鳥の翼にもなった骨が肌に浮き立つ。
私の創作した千色の天使の由来は、どうかな。
気に入って納得してくれると良いのだが。
「私の天使はね、私が死ぬときまで側にいて、それまでもそれからも、あらゆる世界に私を導いてくれるのだよ」
「ずっと、一緒に居て下さると言う意味で、受け取っても宜しいのですか?」
潤む瞳に、私は心を込めて頷こう。
返答は、渾身の力を込めた抱き着き方で、私にもたらされた。
くちゃりと、まだ腹に残った物が音をたて。
私達は、その音を聞き、何故か笑いが込み上げて。
一頻り笑い合った。
あ、勿論、私達の精神的な初夜は、まだ続き。
私の天使は、愛らしき唇で舌で、私を清めて、避妊具の付け方も覚えてくれた。
「これからは、ずっと、僕がつけて差し上げます」って魅惑的に微笑まれ、恥ずかしくも嬉しかった。
◇◇◇◇◇
少し未来の話をしよう。
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