アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
”-2” 猫、最愛の人と別れる ‐3
-
◇◇◇◇◇
静さんは、僕の母方の祖母にあたる人
僕は、5つで母親と死別していて、父は存命だし僕たちは仲も悪いわけじゃない
ただ、僕が中学3年生の晩秋、いい夫婦の日に再婚したから、その家族とは別に暮らしている
まあ、その辺りは紆余曲折あって
再婚相手もいい人だし、新しくできた家族も、僕より年上のちょっと有名人3兄弟で
あ、芙柚兄さん(フユって読むんだ、変わっているけどいい名前でしょう?)は、もう一般人か
芸能人さんの二人の兄と、有名な作曲家の父の、華やかな人達になってて
あんまりあっちの家族と、いつでも一緒にいる訳じゃない
実は、僕には中学の間の記憶が殆どなくて
中学3年の秋に起きた何かの僕にとってショックな出来事のせいで失ってしまった
多分、誰か達に強姦されたんだと・・・思う
途切れ途切れに思い出した記憶の断片をかき集めれば、そうなる
僕は、ずっと亡くなった母の夢だったピアニストになるか
母のような突然亡くなってしまう人を救う、お医者さんになるか
その夢があって、中学受験した私立の中高一貫教育の学校に行っていたんだけど
記憶喪失もあって、学力も不安で
何より、心が病気になってしまって
いろんな、今まで普通に出来たことが出来なくなった
母が亡くなって、僕を守り育ててくれた祖母、静さんが
東京で暮らせないくらいボロボロになった僕を
静さんの故郷である、この中核都市だけどたっぷり田舎なこの街に
新しく出来た家族には任せられないと、連れ帰ってくれて
僕は、この街で、かけがえのない人にめぐり会えた
中舟生爽(なかふにゅう そう)くん
うん、男の人
うん、でも、僕と結婚した人
日本じゃ、出来ないって?
書類上は、婚姻届じゃないからね
静さんの、母方の祖母の、佐倉静さんの養子として、爽くんと僕は昨年の12月に苗字を替えた
静さんは、お祖母ちゃんから、お母さんになった人
「この次は母の日も、胸を張ってお祝いしてあげれるね」って、僕が言ったら
「母の日も敬老の日も2度もお祝いしてもらえて役得ね」って、大笑いしてた
6歳の母の日からは、お母さんの代わりにずっとカーネーションを受け取ってくれた人は
「白は寂しいから、お祖母ちゃんだから、ピンクにしましょうね」って
イタズラっぽく笑うんだ、いつも、毎年
真っ赤なカーネーションを、今年は、いっぱい送りたかったのに
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 337