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”-2” 猫、最愛の人と別れる ‐7
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あがってお茶でもしてもらおうと思うけど
どうしてなのか、ケースケさんが玄関でいいって言うんだ
野田さんは、乗り気なんだけど
「か、花菜ちゃんは、爽が、さ・・・後で、花菜ちゃん上げたって、知ったら、オレ、ヤバイし」
「え?何が、ヤバイ・・・の?」
「だ、大丈夫よ!あたし、欲望は・・・抑える!」
「その辺、べたべた触ったり、見て回ったり、写メとかさ・・・」
「うっ・・・が、我慢する」
「匂い嗅ぎ回ったりも、もちろん駄目だよ?」
「に、匂いも駄目なの!?写メ禁でもう限界なのに?!」
・・・・・・ん??
野田さん、どうしたんだろう
「・・・・・・玄関、座らせてもらお?」
「どぅうわ~ぁ~、目の前に妄想のお城があるのに~ぃい~」
なんなんだろう、二人が遠い
すったもんだ
コントみたいな二人のやり取りが
よくわからなかったけど、面白くて、久しぶりに、笑って
「これ、頂いた浴衣の写メ。着方よくわかんなくて、羽織っただけなんだ」
薄い青地に、大判の朝顔がたくさん咲いてる柄
「帯もね、これは静さんが若い頃の帯なんだってもらったんだ」
「肩から下げてるやつ?黄色の黄八丈みたいな模様の」
「うん。若くないと合わないのよって。今度、着方、教えてくれる?」
「うん。喜んで。あと、手紙ありがとう」
「静さんがね、読めないうちは、無理に読まなくて良いって。読みたくなるまでしまって置きなさいって。静さんからのラブレターなんだって」
少し厚い空色の和紙の封筒
表書きには、僕の名前「丹羽 健」さまって
野田さんが預かったのは去年の7月の終わり頃で
爽くんのプロポーズを受け、僕からもプロポーズめいたことをして
結婚したいから
僕達を養子にして欲しいって、お願いに行った後
ちょっとしたトラブルで、爽くんの命の心配になって、ひと騒動あって
静さんが体調崩さないように、夏の間だけ入院したときのことだろう
あの頃から、静さんは一人で死を迎える支度を始めていたんだ
「あたしね、おこがましいとは思うんだけど。静さんみたいなカッコイイお婆ちゃんになるよ。それを人生の最終で最高の目標にするんだ」
「・・・・・・まずは、浴衣着れるようにならなきゃ?」
「くあ~~道のり遠っ!」
黙って僕らを見守ってた、ケースケさんは最高のタイミングでつっ込んだ
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