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”-1~+1” 王子の最愛の人々 ‐17
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「健、お水、飲もう?」
ふるふるふる
「お腹空かないか?」
ふるふるふる
「独りにしてごめんね」
ふるふるふる
「さびしかった?」
ふるふるふ・・・・・・こくん。
こ、こくんって頷かれて、ちょっと嬉しくなる単純さ。
そっか、それは、ちょっとどころかすごい嬉しいことだ。
「俺が居なくて?」
こくん・・・・・・で、ぎゅっと抱きつく。
ど、どうしてくれよう、可愛い、健が。
どんな顔してるんだろうなって、どうしても見たくなって、覗き込む。
あ、やっぱり。見られるの嫌なんだな、胸に顔を埋められてしまった。
かすかすの、もはや呼吸音に無声音が混じるような声で話し出そうとする気配。
「お水、自主的に飲まないなら、強制的に飲ませちゃうよ?」
断られて当然だけど、言ってみた。
俺達の強制的な飲ませちゃうは、口移し。 イコール、キス、だ。
ちょっとでも、場が和めばって、冗談にするつもりの言葉を。
更にぎゅっと、抱きついた健は、無声音で、下さいって、言った。
「え?・・・え、いいの??」
無理やり引き離して、顔を見つめる。
うっすら、涙が滲んでる瞼を閉じて、こくんと頷いて。 そのまま。
健は、待ってくれてる、俺からのキスを。
かさかさに乾いた唇の合わせが、少し、解けていた。
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