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”-1~+1” 王子の最愛の人々 ‐18
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最近の俺を、圭介や信太郎は「お前は健くんのお父さんか!」って言う。
健が心配で、どうしようもなくて、でも、ろくなことが出来てない。
母性愛とかいうものには、到底及ばないんだから、父性愛に近かったのかもしれないけれど。
しかし・・・・・・
根底にあるのは、健への、どうしようもない、愛しさで。
それはもちろん、肉欲も込みで。
ヤバかった瞬間は、このひと月あまり、何度もあった。
よく、踏み止まれたって、俺に言ってやりたいくらい、結構な頻度だった。
実は、健の要望で、毎度の如く、春季テスト前も、禁欲してて、
静さんのあの連絡が来た日は、
あんなことが無かったなら、めでたく1月ぶりの解禁日予定だったわけで。
20代男子ながら、修行僧並みに、自制心を誇っちゃえる、俺。
まあ、体力もなく、もともと、かなり淡白な(しかも心はノンケくん)、奥さん持っちゃうとね?
グイグイ行き過ぎて、引かれるのは、さ。
と、言うわけで・・・・・・現在、約2か月、してない。
テスト前に1か月、してたのはご挨拶のキスのみ。毎回、唇に触れるのは1秒未満。
でも、寂しがりな、奥さんの為に、ちゃんと隣で寝て。
ときどき、こっそり自己発電で、愚息クンを慰めてて。
欲しくないわけ、ないんだ。
・・・・・・この、健の行為の意味は、なんなんだろう。
ぐるぐる、ピンクの靄に覆われて、殆ど停止状態の脳内で、考える。
据え膳・・・・・で、いいんだろうか。
躊躇している間に、健は瞳を開き、少し俯いて、溜息を吐いた。
「・・・・・・健?あの?」
口をぱくぱくして、また、溜息。
ウィングチェアー脇のミニテーブルから、ミネラルウォーターの入りのマグカップを掴む。
ちびちび飲みだして、一息つけば、思いつめたような声を、健は発する。
「・・・・・・僕、どうしていいかわからない」
「なにを?」
「お詫びのしようがないの、爽くんに」
「なにも。なにもないよ、お詫びしてもらうことなんか」
詫びてもらうことなんて、何一つありはしないと思うんだけど。
多分、健の性格なら、この日々のことかな、とは、思う。
静さんとの別れで、健がいつもの健を失ってしまったことは、仕方がないこと。
俺達は、夫婦ってのになったんだから、親父が言ってたように
相手が辛い時は、全力で支えてあげるのは、当然のことなんだ。
何が・・・言いたいのかわからず、とりあえず、話す気になってくれた、健の出方を待つことにする。
「もう、僕に、呆れたんだよね。・・・キスもしたくないくらい」
「な、なんでそうなるの?したいよ、すごく」
「・・・・・・しないじゃない、か」
えええ?
な、泣いちゃってるのか? どうして、そうなる?
「どう謝ったらいいかわからないし、僕、どうしたらいいのかな」
震える声は、なんでか、絶望しているみたいに、途方に暮れてるみたいに、聞こえて。
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